今回は東洋医学の観点から見た血圧についての記事です。
40年の間、療術師として活躍をしていまる、Tさんに血圧とストレスについて執筆をしていただきました。
是非参考にしてみてください。
以下、Tさんが執筆した記事になります。
禅宗には身心一如という考えがあります。
現代医学には日本心療内科学会があります。病院には「心身症」を診る心療内科があります。
禅宗でいう「身心一如」も現代医学の「心身症」も心と体は一体であるという考え方です。
日常会話では「病(ヤマイ)は気から」といいます。
私たちは毎日、自分のおかれた立場で心にストレスを受けながら生活をしています。
そのストレスが血圧にどのような影響を与えているのかを検証して、そのストレスから体を守ることを紹介します。
高血圧症を安定させるために一番必要なのは「くつろぎ」です。
血圧が高いといわれている人は、最高血圧が145、最低血圧が85以上の人です。
高血圧の原因・タイプを現代医学では二つに分けています。
(1)本態性高血症
・原因は不明ですが、ふつう25~50歳に多く発症します。家族に脳卒中や急死、心不全のような持病を持った人がおり、男性よりも女性の方が多いといわれています。
感情の変化やストレス、とくに怒り、不満などで血圧の動揺が大きく、安静時には降下すものが多い。
(2)続発性高血圧症
腎臓に異常のある人が特に多く、そのほか内分泌性大動脈狭窄症などが言われています。
本態性高血圧の場合は、ふつうあまり症状を出しませんが、高血圧症だと知ると、後頭部痛(早朝に始まり日中にはおさまる))を訴えるのが特徴で、ほかにめまい、耳鳴り、頭がいっぱいになったような感じ、疲れやすい、元気がでない、動悸などの症状が出ます。
そしてわけのわからない高血圧に不安になり、心理的な障害を起す場合があります。
したがって、高血圧で一番必要なのは、くつろいだ家庭環境と充分な睡眠です。
精神的緊張をときほぐす散歩や体操なども望ましいことです
血圧に対しては決して神経質にならず、温和な心を保ち、測定のたびに一喜一憂しないことがとくに大切なことです。
血圧が異常の原因は神経系にある。
人間の体には血圧を自動調節する装置があります、心臓から押し出される血液が頸動脈と大動脈に分かれる所に血圧を感知するセンサーがあり、血圧を大脳に報告しているわけなのです。
(1)血圧が高すぎれば、血管を拡張したり、心拍を弱めたり、血液量を減少させたりすることを神経系に命令します。
このセンサーが異常にセットされていたリ、感知機能が鈍感になっていたりすると血圧調整が具合よくはたらきません。
(2)センサーと神経系の機能は完全に働いていても、血管がコレステロ―ルで狭くなっていたリ、老化して具合よく拡張、収縮できなくなっては、やはり血圧の調節ができなくなります。
(3)人体の中の化学変化で発生する物質には不要なものや、生命活動に邪魔になるものがあり、これらは体外に排泄しなければなりません。
排尿はそのもっとも重要な役割を持っており、腎臓の故障は血圧にとって重大な影響があります。腎臓や血管の働きを支配しているのも、自律神経や、脳、脊髄神経です。
(4)以上のような血圧に大切な神経系の働きに影響を与えるものは心理的な刺激です。
家庭でできる自己ケアの方法
高血圧症は家庭で治すことができるのでしょうか?その方法を紹介しましょう。
・背骨の狂いか高血圧症はなる原因の一つですが、これは専門家に直してもらいましょう。
・家庭では全身の血行を良くするために頸椎(首)の上部(頸椎の2~3番は全身の脈管運動中枢)をよく緩めてください。首の後側を指で圧してほぐすように動かします。
・更にもう一つの方法を紹介しましょう。
イラスト「頸の凝り」を参照してください。
頸椎を支えている神経筋に黒く太い線を入れています。その神経筋を親指と人差し指でつまんで揉み解してください。やさしく揉みほぐした後、少し強く揉んでも痛みが少なくなったらやめます。
・下肢の血行をよくするため、両足の土踏まずを拳でトントンと、50~100回、毎朝、毎晩叩いてください。
掌も同じように叩いてください。また全身を軽く摩擦します。運動公園で砂場を素足で歩くのも血圧を下げるには簡単で効果的ないい方法です。
・更にもう一つの方法を紹介しましょう。
イラスト「湧泉」を参照してください。
この経穴(ツボ)は腎臓を治す主要な経穴です。他にはむくみ、心臓ぜんそく、下肢の冷え、のぼせ、高血圧、不眠症などの治療に用います。
親指の腹で×印の処をグリグリと押して刺激してください。傷みがやわらいだらやめてください。
湧泉は「命の泉が湧くところ」といわれてとても大切なところです。
・同じイラストを参照してください。
踵(カカト)の真ん中に「失眠」という経穴があります。ここが硬くなると安眠ができなくなります。まず蒸しタオルで温めください。暖めた後、しっかりと揉みほぐしてください。または拳で50~100回くらいトントンと叩いてください。
まとめ:
心と体は一体のものです。切り離して考えることは出来ません。
心の動きが体に影響を与え、体の変化が心に影響を与えます。
心と体は一つであることが理解していただけましたでしょうか。
健康を維持するには毎日の努力の積みかさねが必要です。
健康が全ての基本になります。頑張って自己ケアをして健康で頑張ってください。